色は匂へど 散りぬるを 我が世誰そ 常ならむ 有為の奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず 香りよく色美しく咲き誇っている花も、やがては散ってしまう。 この世に生きる私たちとて、いつまでも生き続けられるものではない。 この無常の、有為転変の迷いの奥山を今乗り越えて 悟りの世界に至れば、もはや儚い夢を見ることなく、現象の仮相の世界に酔いしれることもない安らかな心境である。